山田奨治「〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争」を読みました。
「なぜコピーライトに期限があるのか」ということを18世紀の英国の「ドナルドソン対ペケット裁判」を通して、文化史的に検証した本です。

海賊版とは
カーバーのタイトルの海賊版には赤色の<>でくくられています。<>つきの<海賊版>という言葉に著者の思い入れがあるのかもしれません。
------
そこで問題になるのは、「海賊」とは何かである。
正しい意味での海賊行為とは、法令で守られている作品を、ほかの誰かが勝手に出版することをいう。
しかし、権利者というものは往々にして、既得権をおびやかすことすべてに「海賊」の汚名を着せる。それが本当に違法行為かどうかを、真剣に吟味しないこともある。「海賊」という非難は、既得権を守るための政治スローガンでもある。
p3
-----
コピーライトの起源
世界最初のコピーライト法である「アン法」で定めた保護期間をロンドンの書店主たちはさらに延ばすように、議会に請願しましたが、それは受け入れられませんでした。
-----
そこで次善の策として考えたのが、コピーライトは慣習法で認められた永久の権利だという論法だった―コピーライトは「著作者の権利」で、それは人類に普遍的に与えられた権利で、著者が生まれながらにしてもっている永久の権利だというのだ。
この論法のせいで、自然権としての「著作者の権利」と産業上の独占権としての「コピーライト」という、性質の違うふたつの権利が混同されてしまった。
p50
-----

20071011.gif
「部下が間違えて浜松にいる」というこのポスターのコピー。これだけでは、何が面白いのか、わかりません。でも、このポスターは浜松町の駅に貼ってあるのです。
浜松町と浜松を間違えたというわけですね。

ポスター探してゴー ルーツコーヒー

20071003.gif
このおじさんは中尾彬ではなくてハービー・ハンコックです。
ジョニ・ミッチェルの曲をノラ・ジョーンズ、ティナ・ターナー、ジョニ・ミッチェル本人などをゲストにむかえて演奏。

herbiehancock.com
ハービー・ハンコックおじさん、今、日本に来ているみたいですね。

20071007.gif
長井海の手公園 ソレイユの丘に行ってプロヴァンスな休日(笑)を楽しんできました。

なんというか、あまり商売っ気がないところです。食べ物を売っている場所が少なくて、なかなか行列がはけていませんでした。一時間弱並んで、やっと昼食を調達。売店のおねえさんに聞いたところ、3連休の中日は一番、混むとのこと。今度行くときは、お弁当をもっていくことにします。

長井海の手公園 ソレイユの丘

20071004.jpg

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の6年ぶりの新作。ジャンルはミステリーでいいのかなあ。シネスイッチ銀座にて。
イタリアの北の町(トリエステ)にやってきた、ウクライナ出身の女性イレーナ(クセニア・ラパポルト)の話。彼女が危ない橋をわたってまで、「ある家族」に近づこうとするのはなぜなのでしょう。復讐?それともストーカー行為?女性の過去の忌わしい体験をフラッシュ・バックさせながら、映画の後半あたりから、だんだんと彼女の行動の意味が明らかになってきます。
ラストシーンはうまいですね。これでだいぶ点数があがりました。

評価額 1300円


題名のない子守唄

吉田茂の「回想十年」第一巻を読みました。
奥付を見ると昭和三十二年新潮社から出版されていて、定価は参百参拾円です。この本も後に出た文庫版もすでに絶版になっていますので、けっこう貴重な本かもしれません。(図書館で借りました)
麻生太郎のおじいちゃん、なかなか文章がうまいです。
---
由来、私は自叙伝や回顧録を書かぬかと勧められると、いつも思うことは、これらの多くは、結局、自画自賛か、自家広告か然らずんば、弁疏の類に過ぎない。第一そんなものが世を益したり、後世史家の資料として価値があるとも思えぬ、だから自叙伝、回顧録の類は書きたくないということである。またそうも答えてきた。
---
じゃあ、なんで書いたんだ。と思わずつっこみをいれたくなる、序文の冒頭から面白いですし、他にも日本外交の失敗について述べたこんなところも興味深かったです。
---
国際信用に関連して重要なことは、正義に則って外交を行うということである。外交が自国の利益を直接対象とするのは、言うまでもないが、同じく自国の利益といっても、目先の利益と長い先々までを見通した利益とがある。
P31 国際信用と国際正義より
---
やはり、興味があるのは、あのころの日本人がなぜ、負けると判っていた戦争を回避できなかったです。ハルノートをつきつけられたときの事について。
---
東郷君はもとよりのこと、当時私が接した重臣層をはじめ、政治上層部の誰もがこの戦争には賛成していなかった。国民の大多数もまさか戦争になろうとは思ってもなかったであろう。しかるにこれらの重臣層の人々は内心戦争に反対しながら、その気持ちをどうもはっきり主張したり、発言したりしなかった。こんな時にこそ、国民性が顕われるもので、平素とかく大人ぶったり、知ったかぶりするくせに、いうべき時にいうべきことを言わず、しかして事後において弁解がましきことを言い、不賛成であったとか、自分の意見は別にあったなど言うものが多い。P52
----
ふーむ。どうも日本人のこういう傾向、今だに、ありますねえ。
東郷君とは当時の外務大臣、東郷茂徳。

20070930.gif

クリス・マッケイ、グレッグ・ミラー 、 中谷 和男 (訳) 「陸軍尋問官―テロリストとの心理戦争」を読みました。
著者のクリス・マッケイはハイスクールを卒業した17歳のときに、志願して兵役につきます。尋問官になったのは電話線の修理工の父の勧めによるものでした。「軍隊に入るにしても、できるだけ大砲に遠いところ、射撃訓練をしないですむ部門がよい」との理由でした。1年間の訓練の後、大学に進学。その後、ロンドンの会計事務所に勤めますが、その間も予備役として尋問の訓練を重ね、アラビア語も学んだそうです。そして、2001年の9.11の後、アフガニスタンに尋問チームの一員として派遣されます。彼の任務はアルカイダとタリバンの捕虜から重要人物を選別し情報をひきだすこと。本書は彼の体験をLAタイムズの記者グレッグ・ミラーがまとめたものです。

-----
本書は真実である。しかし、尋問で明らかになるのは、真実があてにならないということである。p12
-----

語られる捕虜たちとの心理的なかけひき、特に15歳の少年の捕虜のエピソードには考えさせられるものがありました。

人は自分のよく使う得意のツール(研究方法や思考方法)に頼って問題を解決しようとする。
--------
小さな子どもに、ハンマーを持たせたら、その途端に、あらゆるものが釘でうちつけられてしまう。このように、社会科学の分野の研究においては、「ハンマーの法則」が作用する。つまり、信頼できる知識を得るために、その人がよく使う、あるいは得意なハンマー(個人インタビュー、調査手法、カイ二乗検定、ANOVAなど)に頼るのである。しかし、得意とする研究分野に過度に傾倒することには危険がつきまとう。ある特定の調査のみがされて解答が与えられてしまうという危険である。
--------
S. ヴォーン, J. シナグブ , J.S. シューム,井下 理 監訳 「グループ・インタビューの技法」という本でByersとWilcoxの論述として紹介されていたものです。(孫引きですみません)
研究者だけでなく、コンサルタントといわれている人にも、このような傾向がありますね。同じような話、ワインバーグの本でも読んだことがあるような気がします。

職場のパソコン2台を盗んだとして、警視庁捜査三課などは27日までに、埼玉県戸田市、人事院個人情報保護専門官、XXXX容疑者を窃盗の疑いで逮捕した。「消費者金融などに450万円くらい借金があった。売って返済に充てた」と供述、容疑を認めているという。

人事院の個人情報保護専門官がパソコン盗む Sankei Web

◆コメント◆ 
パソコン内の個人データは消去してあったそうです。さすが個人情報保護専門官。(すみません冗談です)

政府広報オンラインで「誤解していませんか? 個人情報保護法」という動画(24分)を公開しています。
過剰反応の問題や、小学校や町内会で名簿を作成した事例、先進企業の取組みなどが紹介されています。ゲストは堀部政男先生。

政府広報オンライン
 誤解していませんか? 個人情報保護法

よくまとまっているので、個人情報保護研修の教材としても、使えそうです。